太陽は燃え尽きないのか?

■ 太陽は燃え尽きないのか

1月は寒いので外の現場は防寒対策が欠かせません。それでも太陽の日差しを体に受けると暖かく感じます。もし太陽がなかったら大変です。

ちょうど今の工事現場に仮設電源がないため、小型の発電機を使っていますが、1~2日で燃料がなくなってしまい、ガソリンを補給しています。さて、ふと疑問に思いました。それは、「太陽は燃料切れにならないのか」ということ。

確かに太陽は巨大ですが、自分の感覚からすればいくら何でも1000年も経てばタンクは空っぽになるのではないだろうか。

■ 核融合反応により熱と光を放つ

ネットや本で調べてみると次のことがわかりました。

* 太陽は燃焼しているのではなく、水素の核融合反応によって熱と光を放っている。

* そもそも太陽には燃焼するために必要な酸素がほとんど存在しない。

* あと50億年くらいは今のように輝き続けると言われている。

太陽の半径は地球の約109倍、重さは地球の約33万倍ということなので、いかに太陽が巨大かわかります。しかし、それでも50億年燃え続けるというのは、実感しづらいものがあります。

核融合というのは大変効率がいいのでしょう。核融合では質量が失われ、それが巨大なエネルギーに変換されます。

■ 質量とエネルギーの等価原理

あのアインシュタインが導き出した有名な方程式で、「質量とエネルギーの等価原理」を示したのが次の式です。

 E=mc^2 

この式によれば、例えば、質量1キログラムの物質について、その質量をすべてエネルギーに変換できたとすると、

E(エネルギー)       = m(質量) × c(光速)の2乗

                                    = 1〔kg〕× 300000000〔m/s〕× 300000000〔m/s〕

                                    = 9 × 10の16乗〔ジュール〕

となるようです。

ちなみに、ジュールとカロリーの関係は次のようになります。1カロリーは、1グラムの水を1度上昇させるのに必要な熱量です。

4.186〔ジュール〕 ≒ 1〔カロリー〕

■ 例えば水を温めてみたら

では、質量1キログラムの物質をすべてエネルギーに変換した場合、どのくらいの水を温めることができるか計算してみます。

9 × 10の16乗〔ジュール〕 ≒ 2.15 × 10の16乗〔カロリー〕 

0度の水を沸騰させる(100度にする)場合を想定すると、

2.15 × 10の16乗 ÷ 100 = 2.15 × 10の14乗〔グラム〕

                                                            = 2億1500万〔トン〕

1キログラムの物質なら、約2億1500万トンの水を沸騰させることができることになります。少ない質量でこれだけ莫大なエネルギーが得られるならば、太陽がこれだけ輝き続けるのも納得です。

【参考文献等】

国立科学博物館HP 宇宙の質問箱

四国電力HP キッズミュージアム

茂木健一郎 著 「アインシュタインと相対性理論がよくわかる本」PHP文庫


アインシュタインと相対性理論がよくわかる本 (PHP文庫) [ 茂木健一郎 ]

桜井邦明 著 「数式なしでわかる物理学入門」祥伝社新書


数式なしでわかる物理学入門 (祥伝社新書) [ 桜井邦朋 ]

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